mogu1978のブログ

短編小説です♪

カフェにて6

町外れの一角に、彼は新居のマンションに引っ越した。部屋は3LDK。カフェ風の、

そのインテリアは、裕太と最初に出会ったカフェを、連想させる。ふたり藤の椅子に

クッションをひいて、カフェオレを、飲んでいた。村上春樹の、文庫本を読みながら、

彼は言った。「指輪を買おうか?」ふたりで、郊外のショッピングモールの、アクセサリー

店を、覗いてみた。ペアのリングで、クロスの刻印がしてあるのを、見つけた。「これ、

いいね。」彼はすぐに、ペアリングを、レジに持って行き、料金を、支払った。

「外れないようにね、きついの、選んだんだ。」彼は言った。「クロスの意味は、ふたりが、ク

ロスしているって意味。ずっとね。」部屋のイエローのベットに、ふたりで、寝転び、

朝まで窓から、差す、月明かりを見ながら、語り合っていた。「一緒に暮らそうよ。」彼が言うと、

辺は、銀色の、星空に変わった。「永遠って信じる?」彼が言った。「この、星空のよ

うにね。」私が答えた。辺りは、やがて、朝日が、カフェ風の、部屋を、オレンジに、染めていった。